第87番札所 補陀落山 長尾寺 観音院

ふだらくさん ながおじ かんおんいん

JR高松駅から琴電電車 長尾駅下車 徒歩5分。 
御詠歌 あしびきの山鳥の尾の長尾寺秋の夜すがら御名を唱えよ 
住所 香川県さぬき市長尾西653  
TEL 0879-52-2041 
HP  
宗派 天台宗  
開基
行基  
宿坊 なし 
駐車場 境内にある 
さぬき市商工観光課 電話087-894-1114 
http://www.sanuki.ne.jp/ 

 

海沿いから県道3号を内陸部へ南下すると、町の人から「長尾のお観音さん」と親しまれている「長尾寺」。

 

一説には聖徳太子の開基ともいわれているが、記録に残っている歴史としては、天平11年(739)、行基が道端の柳の木で聖観音菩薩像を彫り安置して開基したといわれています。
大同年間(806~810)弘法大師が巡錫し、この本尊に成就を祈願し、護摩修法を行いました。この時、大師は集まった人々に護摩符を授けたのが、現在、正月に行われている「大会陽福奪い」の行事の始まりだといいます。帰朝後、大師は入唐の大願成就を感謝し、大日経一字一石の供養塔を建てたという。

 

その後、寺運は栄えたが、兵火に遭い堂宇を焼失。慶長年間(1596~1614)に讃岐国守・生駒一正の援助で再興された。後、高松藩主松平頼重により庇護され、松平家の祈願寺となった。葵の紋が入った香炉や、松平家の別邸である栗林公園から移築された東門が残っている。

 

また、この寺は源義経の側室である静御前が、吉野山で別れ転々とした後、文治4年(1188)にたどり着き、得度した寺とも言われ、静御前が当寺で得度した際、剃髪した髪を埋めたという剃髪塚があります。
静(有心尼)は母(磯野禅尼)と共に得度した後、近くの井戸中代という所に庵を結び、義経形見の薬師如来を安置しました。

 

写経を埋めた上に立てる経憧が、仁王門前に左右一対で立っている。東側のものには「弘安九年五月」、西側のものには「弘安六年七月」の銘があり、元寇の役の犠牲者のために立てられたものと見られている。

 

入り口の仁王門には、高さ約4mもある左右一対の大きな草鞋が奉納されている。江戸時代末期から地域の信者が「健脚と幸せを」と祈りを込めて稲わらを編み込んで作っているもの。
仁王門をくぐると、参道の正面には本堂、右手に大師堂、その奥に薬師如来があり、左手に護摩堂と常行堂があります。また、境内には樹齢800年の大楠があります。

長尾寺 長尾寺 本尊
聖観世音菩薩
真言
おん あろりきゃ そわか
87長尾寺の本堂
長尾寺の本堂

 

大鏡力餅運搬競技
幕末の頃、讃岐出身の力士がこの寺に日参し、仁王像に願掛けをして、金剛力を授かったという故事にちなみ明治時代に、当時の住職が米一俵分で大鏡餅を作り「福奪い」に参加する若者達に力比べをさせ、地域の若者の体力向上を願って始めたという。

 

長尾寺から最後の大窪寺までの間に、道標と地蔵が約40ヵ所も建てられていて、99年には、さぬき市(旧長尾町)が長尾寺から南約5キロに「おへんろ交流サロン」という現代の"道標"もオープンし、巡拝の疲れを癒やすための談話コーナーのほか、遍路から無償提供された納札などの資料が展示されている。

第86番札所 補陀洛山 志度寺 清浄光院

88番大窪寺へ15.5キロ

第88番札所 医王山 大窪寺 遍照光院