第71番札所 剣五山 弥谷寺 千手院

けんござん いやだにじ せんじゅいん

JR詫間駅からJRバス 善通寺行 弥谷寺口下車 徒歩40分。 
御詠歌 悪人と行き連れなむも弥谷寺ただかりそめもよき友ぞよき 
住所 香川県三豊市三野町大字大見乙70 
TEL 0875-72-3446 
HP  
宗派 真言宗善通寺派  
開基
行基  
宿坊 なし  
駐車場 境内まで徒歩10分 
三野町地域振興課 電話0875-73-3116 
http://www.town.mino.kagawa.jp/ 

 

急勾配な石段が長く続く中、八十八ヵ所中でも有数の難所であると言われているのが「弥谷寺」。
札所へ続く石段の脇には、死者の霊魂を祀るためか五輪塔が数多く置かれ、樹木の影には古い墓が並ぶ。

 

標高382mの弥谷山は、死霊が帰る「仏の山」として昔から「弥谷信仰」を集めていて、地元では家に死人が出ると死霊を背負う格好をして水場まで登り、降ろして帰る風習が残っており、現在でもこの山に永代供養したり、遺骨などを納めたりする人も多い。

 

天平15年(743)聖武天皇の勅願により、行基が弥谷山に登ったところ、四国、中国地方の八ヵ国が眺望できたことから、東の峰に阿弥陀如来、西の峰に釈迦如来を安置し、蓮華山八国寺と名付け、創建したと伝えられている。
弘法大師は少年時代に、ここでしばらく修行した後、大同2年(807)、再び登山して真言密教の秘法を修行していると、満願の日に空中から五柄の剣が降ってきて、金剛蔵王権現のお告げを聞いたという。
そこで、千手観音を刻み安置し、五柄の剣と唐から持ち帰った重要文化財の五鈷鈴を納めた。
「五柄の剣」から山号を剣五山に替え、その辺り一帯に谷が多いことから、寺名も弥谷寺に改めて札所に定めたと伝えられている。

 

本堂や大師堂は、岩山に取り囲まれたように建っていて、大師堂の奥之院は「獅子の岩屋」と呼ばれ、弘法大師が幼少の頃に学問に励み、再び入山した際に真言密教を修行した場所だと伝えられている。また、岩窟のなかには阿弥陀像、弥勅像、大師像が安置されている。
また、大師堂を入ってすぐの場所に納経所がある。

 

近くの岩壁には阿弥陀三尊など多くの仏が刻まれており、これらも大師が刻んだものと伝えられていて、弥谷寺にはこうした岩壁に浮き彫りにされている磨崖仏(まがいぶつ)が数多くあり、霊的な雰囲気をここかしこに漂わせている。

 

仁王門手前の「俳句茶屋」では、難所の石段を登る前に立ち寄って一服する人も多い。

弥谷寺 弥谷寺 本尊
千手観世音菩薩
真言
おん ばざら たらまきりく
71弥谷寺の阿弥陀三尊磨崖仏
弥谷寺の阿弥陀三尊磨崖仏

 

磨崖仏
中国やインドなど歴史的に古い所で多く見られる、自然の岩壁に直接彫刻された仏像の事。
彫られた場所はそのまま聖地としてのいみを持ち、日本では栃木県の大谷や大分県の臼杵が知られている。

第70番札所 七宝山 本山寺 持宝院

72番曼荼羅寺へ4キロ

第72番札所 我拝師山 曼荼羅寺 延命院