第56番札所 金輪山 泰山寺 勅王院

きんりんざん たいさんじ ちょくおういん

JR今治駅からバス 鈍川温泉行 約15分。小泉下車 徒歩156分。 
御詠歌 みな人の詣りてやがて泰山寺来世の引導たのみ置きつつ 
住所 愛媛県今治市小泉1丁目9-18 
TEL 0898-22-5959 
HP  
宗派 真言宗後醍醐派  
開基
弘法大師  
宿坊 あり(要予約) 
駐車場 境内まで徒歩2分 
今治市役所 電話0898-32-5200 
http://www.islands.ne.jp/imabari/

 

鈍川温泉街は「今治の奥座敷」と呼ばれているが、その途中に白壁の塀で囲われた寺が「泰山寺」。

弘仁6年(815)、弘法大師がこの地を巡錫中、豪雨のために蒼社川が氾濫していた。当時、この川は毎年のように氾濫しており、地元の人は「人取川」と呼び「氾濫は悪霊の祟りによっておこる」と恐れていた。そんな村人を見た弘法大師は、村民を指導して堤防を築かせ、河川に壇を築いて金明真言の「土砂加持」の秘法を七座厳修された。その満願の日に延命地蔵が空中に出現。大師は示現した地蔵尊を刻んで本尊とし、一寺を建立した。寺名は延命地蔵十大願の第一「女人泰産」からとって、泰山寺と名付けられた。 
山号の金輪山は裏手の山の名前だが、当初はこの山の山頂に位置していたという。
落ち着いたたたずまいの寺には六道輪廻を表した地蔵車もある。

 

天長元年(824)淳和天皇の勅願所となり、七堂伽藍が並び建ち隆盛を誇った。
しかし、度重なる兵火で寺は縮小し、金輪山麓の現在地へ移建された。

 

この寺は、山門のなく、左右に細長く伸びた境内には一列に本堂、納経所、宿坊が並んでいる。宿坊の前にある大師堂は、昭和60年に建立された。そばには金剛杖を持ち、菅笠をかぶった大師像が立つほか、鐘楼、通夜堂、納経所などがある。鐘楼は明治14年(1881)、今治城内にあった太鼓楼の古材で再建したもの。

 

白壁塀の外には、6体の仏像が並んでいる。また、本堂横には金剛力士像と釈迦の弟子であったとされるびんずる尊者の像が鎮座している。

 

大師堂のそばにあった「不忘松」は、弘法大師が一寺を建立した際に御手植えされたという松の木。1度枯れてしまい、今は古い切り株が残っている。その横には子株として育っていた4株のうちの1株が植えられている。また、「さんこの松」は中国原産の白皮松。葉が3本に分かれているのが特徴で、中国西安から持ち帰った種から芽吹いたものを大切に育てている。

 

この寺で一番有名なのは「南無延命地蔵菩薩締信」と書かれた千枚通ご符。
1×3.9㎝サイズの薄紙で、真言を唱えながら水と一緒に飲むと万病に効くといわれています。

泰山寺 泰山寺 本尊
地蔵菩薩
真言
おん かかかび さんまえい そわか
56泰山寺の石積みの塀と本堂
泰山寺の石積みの塀と本堂

 

六道輪廻
「六道」とは【地獄・餓鬼・修羅・畜生・人間・天上】のことで、何れも迷の世界を示しています。『輪廻』とは「その迷の世界をグルグル廻って出抜けられない様子」を現したです。

 

この世に生を受けた迷いのある生命は死後、生前の罪により、地獄道(じごくどう)、餓鬼道(がきどう)、畜生道(ちくしょうどう)、修羅道(しゅらどう)、人間道(にんげんどう)、天道(てんどう、天上道、天界道とも)の6つのいずれかに転生し、これら六道で生死を繰り返す(六道輪廻)と言われている。たとえ天道であっても、苦しみの輪廻する世界を脱することは出来ない。諸行無常の原則により、どの世界に生まれ変わろうとも、何時かは死に絶え、別の世界(或いは同一世界)へ転生する宿命。上記6種の世界は、須弥山世界観等においては、しばしば空間的領域として捉えられる。 この輪廻の道から外れたものを俗に外道(魔縁)という。

 

六道にはそれぞれ観音がおるとし、観音の導きによりその世界から救われるという来世的な観音信仰が生まれ、それらの観音を六観音と呼ぶ。なお天台宗と真言宗では人間道における解釈が異なり、不空羂索観音と准胝観音がそれぞれ置かれている。七観音と呼ばれる場合はこの2観音を含めた観音のこととなる。

第55番札所 別宮山 南光坊 金剛院

57番栄福寺へ4キロ

第57番札所 府頭山 栄福寺 無量寿院